現在表示しているのは、次のバージョン向けのドキュメントです。Kubernetesバージョン: v1.31

Kubernetes v1.31 のドキュメントは積極的にメンテナンスされていません。現在表示されているバージョンはスナップショットです。最新のドキュメントはこちらです: 最新バージョン

Linux上でのkubectlのインストールおよびセットアップ

始める前に

kubectlのバージョンは、クラスターのマイナーバージョンとの差分が1つ以内でなければなりません。 たとえば、クライアントがv1.31であれば、v1.30、v1.31、v1.32のコントロールプレーンと通信できます。 最新の互換性のあるバージョンのkubectlを使うことで、不測の事態を避けることができるでしょう。

Linuxへkubectlをインストールする

Linuxへkubectlをインストールするには、次の方法があります:

curlを使用してLinuxへkubectlのバイナリをインストールする

  1. 次のコマンドにより、最新リリースをダウンロードしてください:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/amd64/kubectl"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/arm64/kubectl"
       
  2. バイナリを検証してください(オプション)

    kubectlのチェックサムファイルをダウンロードします:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/amd64/kubectl.sha256"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/arm64/kubectl.sha256"
       

    チェックサムファイルに対してkubectlバイナリを検証します:

    echo "$(cat kubectl.sha256)  kubectl" | sha256sum --check
    

    正しければ、出力は次のようになります:

    kubectl: OK
    

    チェックに失敗すると、sha256は0以外のステータスで終了し、次のような出力を表示します:

    kubectl: FAILED
    sha256sum: WARNING: 1 computed checksum did NOT match
    
  3. kubectlをインストールしてください

    sudo install -o root -g root -m 0755 kubectl /usr/local/bin/kubectl
    
  4. インストールしたバージョンが最新であることを確認してください:

    kubectl version --client
    

    または、バージョンの詳細を表示するために次を使用します:

    kubectl version --client --output=yaml
    

ネイティブなパッケージマネージャーを使用してインストールする

  1. aptのパッケージ一覧を更新し、Kubernetesのaptリポジトリを利用するのに必要なパッケージをインストールしてください:

    sudo apt-get update
    # apt-transport-httpsはダミーパッケージの可能性があります。その場合、そのパッケージはスキップできます
    sudo apt-get install -y apt-transport-https ca-certificates curl gnupg
    
  2. Kubernetesパッケージリポジトリの公開署名キーをダウンロードしてください。 すべてのリポジトリに同じ署名キーが使用されるため、URL内のバージョンは無視できます:

    # `/etc/apt/keyrings`フォルダーが存在しない場合は、curlコマンドの前に作成する必要があります。下記の備考を参照してください。
    # sudo mkdir -p -m 755 /etc/apt/keyrings
    curl -fsSL https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.31/deb/Release.key | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/kubernetes-apt-keyring.gpg
    sudo chmod 644 /etc/apt/keyrings/kubernetes-apt-keyring.gpg # 特権のないAPTプログラムがこのkeyringを読めるようにします
    
  1. 適切なKubernetesのaptリポジトリを追加してください。 v1.31とは異なるKubernetesバージョンを利用したい場合は、以下のコマンドのv1.31を目的のマイナーバージョンに置き換えてください:

    # これにより、/etc/apt/sources.list.d/kubernetes.listにある既存の設定が上書きされます
    echo 'deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/kubernetes-apt-keyring.gpg] https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.31/deb/ /' | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/kubernetes.list
    sudo chmod 644 /etc/apt/sources.list.d/kubernetes.list   # command-not-foundのようなツールが正しく動作するようにします
    
  1. aptのパッケージインデックスを更新し、kubectlをインストールしてください:

    sudo apt-get update
    sudo apt-get install -y kubectl
    

  1. Kubernetesのyumリポジトリを追加してください。 v1.31とは異なるKubernetesバージョンを利用したい場合は、以下のコマンドのv1.31を目的のマイナーバージョンに置き換えてください:

    # これにより、/etc/yum.repos.d/kubernetes.repoにある既存の設定が上書きされます
    cat <<EOF | sudo tee /etc/yum.repos.d/kubernetes.repo
    [kubernetes]
    name=Kubernetes
    baseurl=https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.31/rpm/
    enabled=1
    gpgcheck=1
    gpgkey=https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.31/rpm/repodata/repomd.xml.key
    EOF
    
  1. yumを使用してkubectlをインストールしてください:

    sudo yum install -y kubectl
    

  1. Kubernetesのzypperリポジトリを追加してください。 v1.31とは異なるKubernetesバージョンを利用したい場合は、以下のコマンドのv1.31を目的のマイナーバージョンに置き換えてください。

    # これにより、/etc/zypp/repos.d/kubernetes.repoにある既存の設定が上書きされます
    cat <<EOF | sudo tee /etc/zypp/repos.d/kubernetes.repo
    [kubernetes]
    name=Kubernetes
    baseurl=https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.31/rpm/
    enabled=1
    gpgcheck=1
    gpgkey=https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.31/rpm/repodata/repomd.xml.key
    EOF
    
  1. zypperを使用してkubectlをインストールしてください:

    sudo zypper install -y kubectl
    

他のパッケージマネージャーを使用してインストールする

Ubuntuまたはsnapパッケージマネージャーをサポートする別のLinuxディストリビューションを使用している場合、kubectlはsnapアプリケーションとして使用できます。

snap install kubectl --classic
kubectl version --client

LinuxでHomebrewパッケージマネージャーを使用している場合は、kubectlをインストールすることが可能です。

brew install kubectl
kubectl version --client

kubectlの設定を検証する

kubectlがKubernetesクラスターを探索し接続するために、kubeconfigファイルが必要です。 これは、kube-up.shによりクラスターを作成した際や、Minikubeクラスターを正常にデプロイした際に自動生成されます。 デフォルトでは、kubectlの設定は~/.kube/configに格納されています。

クラスターの状態を取得し、kubectlが適切に設定されていることを確認してください:

kubectl cluster-info

URLのレスポンスが表示されている場合は、kubectlはクラスターに接続するよう正しく設定されています。

以下のようなメッセージが表示されている場合は、kubectlは正しく設定されていないか、Kubernetesクラスターに接続できていません。

The connection to the server <server-name:port> was refused - did you specify the right host or port?

たとえば、ラップトップ上(ローカル環境)でKubernetesクラスターを起動するような場合、Minikubeなどのツールを最初にインストールしてから、上記のコマンドを再実行する必要があります。

kubectl cluster-infoがURLレスポンスを返したにもかかわらずクラスターにアクセスできない場合は、次のコマンドで設定が正しいことを確認してください:

kubectl cluster-info dump

エラーメッセージ'No Auth Provider Found'のトラブルシューティング

Kubernetes 1.26にて、kubectlは以下のクラウドプロバイダーが提供するマネージドKubernetesのビルトイン認証を削除しました。 これらのプロバイダーは、クラウド固有の認証を提供するkubectlプラグインをリリースしています。 手順については以下のプロバイダーのドキュメントを参照してください:

(この変更とは関係なく、他の理由で同じエラーメッセージが表示される可能性もあります。)

オプションのkubectlの設定とプラグイン

シェルの自動補完を有効にする

kubectlはBash、Zsh、Fish、PowerShellの自動補完を提供しています。 これにより、入力を大幅に削減することができます。

以下にBash、Fish、Zshの自動補完の設定手順を示します。

はじめに

Bashにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion bashコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

ただし、補完スクリプトはbash-completionに依存しているため、事前にインストールしておく必要があります(type _init_completionを実行することで、bash-completionがすでにインストールされていることを確認できます)。

bash-completionをインストールする

bash-completionは多くのパッケージマネージャーから提供されています(こちらを参照してください)。 apt-get install bash-completionまたはyum install bash-completionなどでインストールできます。

上記のコマンドでbash-completionの主要スクリプトである/usr/share/bash-completion/bash_completionが作成されます。 パッケージマネージャーによっては、このファイルを~/.bashrcにて手動で読み込ませる必要があります。

これを調べるには、シェルをリロードしてからtype _init_completionを実行してください。 コマンドが成功していればすでに設定済みです。そうでなければ、~/.bashrcファイルに以下を追記してください:

source /usr/share/bash-completion/bash_completion

シェルをリロードし、type _init_completionを実行してbash-completionが正しくインストールされていることを検証してください。

kubectlの自動補完を有効にする

Bash

次に、kubectl補完スクリプトがすべてのシェルセッションで読み込まれるように設定する必要があります。 これを行うには2つの方法があります:


echo 'source <(kubectl completion bash)' >>~/.bashrc


kubectl completion bash | sudo tee /etc/bash_completion.d/kubectl > /dev/null
sudo chmod a+r /etc/bash_completion.d/kubectl

kubectlにエイリアスを張っている場合は、エイリアスでも動作するようにシェルの補完を拡張することができます:

echo 'alias k=kubectl' >>~/.bashrc
echo 'complete -o default -F __start_kubectl k' >>~/.bashrc

どちらも同様の手法です。 シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。 シェルの現在のセッションでbashの自動補完を有効にするには、~/.bashrcを読み込みます:

source ~/.bashrc

Fishにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion fishコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

すべてのシェルセッションで使用するには、~/.config/fish/config.fishに以下を追記してください:

kubectl completion fish | source

シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。

Zshにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion zshコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

すべてのシェルセッションで使用するには、~/.zshrcに以下を追記してください:

source <(kubectl completion zsh)

kubectlにエイリアスを張っている場合でも、kubectlの自動補完は自動的に機能します。

シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。

2: command not found: compdefのようなエラーが出力された場合は、以下を~/.zshrcの先頭に追記してください:

autoload -Uz compinit
compinit

kubectl convertプラグインをインストールする

異なるAPIバージョン間でマニフェストを変換できる、Kubernetesコマンドラインツールkubectlのプラグインです。 これは特に、新しいKubernetesのリリースで、非推奨ではないAPIバージョンにマニフェストを移行する場合に役に立ちます。 詳細については非推奨ではないAPIへの移行を参照してください。

  1. 次のコマンドを使用して最新リリースをダウンロードしてください:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/amd64/kubectl-convert"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/arm64/kubectl-convert"
       
  2. バイナリを検証してください(オプション)

    kubectl-convertのチェックサムファイルをダウンロードします:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/amd64/kubectl-convert.sha256"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/arm64/kubectl-convert.sha256"
       

    チェックサムファイルに対してkubectl-convertバイナリを検証します:

    echo "$(cat kubectl-convert.sha256) kubectl-convert" | sha256sum --check
    

    正しければ、出力は次のようになります:

    kubectl-convert: OK
    

    チェックに失敗すると、sha256は0以外のステータスで終了し、次のような出力を表示します:

    kubectl-convert: FAILED
    sha256sum: WARNING: 1 computed checksum did NOT match
    
  3. kubectl-convertをインストールしてください

    sudo install -o root -g root -m 0755 kubectl-convert /usr/local/bin/kubectl-convert
    
  4. プラグインが正常にインストールできたことを確認してください

    kubectl convert --help
    

    何もエラーが表示されない場合は、プラグインが正常にインストールされたことを示しています。

  5. プラグインのインストール後、インストールファイルを削除してください:

    rm kubectl-convert kubectl-convert.sha256
    

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